雨のしずく

 

 

「僕は雨のしずく。 今、雨雲から落ち始めたばかり。」


 

 



「おや、こんにちは。」
「私も今、雲から落ち始めたところ。」




 


二人は落ちながら、いろんな話をしました。




 


落ちながら、喧嘩もしました。




 


そして、とても仲良くなり、お互いに好きになりました。


 



やがて地面が近づいてきました。



「ありがとう。 楽しかった。」


「私も。 ありがとう。」


二人は、お互いにお礼を言いました。





 


そして、二人はくっついて、ひとつの大きなしずくになりました。

 

 



そして、その大きなしずくは、幸せそうな七色に光ったかと思うと

 



 

 


葉っぱにぶつかり、美しい花火のように飛び散りました。

 



落ちはじめてから飛び散るまで、二人にとっては十分長く、幸せな時間でした。

 

 

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